アブストラクト(6巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺剔除術に伴う術後急性肺水腫の成因に関する実験的研究
Subtitle :
Authors : 金井真
Authors(kana) :
Organization : 慶応義塾大学医学部外科教室
Journal : 日本胸部外科學會雜誌
Volume : 6
Number : 12
Page : 1186-1202
Year/Month : 1958 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : [I. 緒言] 肺剔除に伴う合併症の中, 最も恐るべきもののひとつに, 術後急性肺水種がある. われわれは, 昭和24年来, 慶大外科において, 気管支癌の研究に従事し, 昭和32年8月末迄に142例を経験し, 31例に肺剔除を施行した. このうち, 縦隔淋巴腺の廓清を伴う根治的肺剔除を行つたもの11例, 縦廓淋巴腺の廓清を行わない単純肺剔除20例である. この結果, 肺剔除に伴う4例の急性肺水腫を経験し, 全例死亡した. これらの症例の原因を考えてみると, 単純肺剔除に伴う1例は, 全身状態不良である上に肺剔除を行い, 侵襲過大であつたと同時に, 術中管理の不備により, 術中の出血1.6lに対し, 輸血2.51という不均衡が, 過剰輸血として作用したのではないかと想像され, 比較的因果関係は明らかである. しかるに, 根治的肺剔除に伴う3例は, 術前状態も極めて良好であり, 術中経過も順調であつたにもかかわらず, 肺水腫を発生したもので, 他の順調に経過した肺剔症例との相違を, 詳細に比較検討した結果, 明らかな差異は見出しえなかつたが, 重要な発生要因と思われるものが老えられる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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