Abstract : |
[I 緒言及び文献的考察] 肺結核症における気管支縦隔洞淋巴節の病理学的研究には, 極めて多くの業蹟がある. 又淋巴節が時に気管支系に破壊穿孔すると云う事実は, 古くから知られている所であり, 多くの剖検報告が見られる. 即ち, Dufouet und Depierre1)によれば, 1780年にLalovetteが胸腔内淋巴節の肺及び肋膜への穿孔を記載し, 1810年にはCayolが2例の気管内穿孔を報告していると云う. Laennec(1818)は結核症を分類観察し, 穿孔についても記載している. Leblond(1824)は多数の小児穿孔例を観察し, Becker(1826), Clark(1835)は気管支への穿孔は, 乾酪化淋巴節の軟化の結果であるとし, Borton(1842)は小児で気管支及び肺動脈同時穿孔例を, Rilliet u. Barthezは27(左15例, 右12例)の剖検を, Liouville(1869)は62~89才の婦人で晩期穿孔について多数例を報告し, Michael(1884)は7例を, Oekonomides(1892)は4才の小児の窒息例を, Voelcker(1895)は気管食道二重穿孔例を報告している. |