アブストラクト(7巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 第1篇 臨床症状からみた肺癌診断
Subtitle :
Authors : 松岡淳夫1)2), 河合直次1), 倉田庫司2)
Authors(kana) :
Organization : 1)千葉大学医学部第1外科教室, 2)国立療養所千城園
Journal : 日本胸部外科學會雜誌
Volume : 7
Number : 6
Page : 637-646
Year/Month : 1959 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : [緒言] 一般に疾患の治療効果は診断の適否と並行するものである. これと同様に, 肺癌の手術成績はその診断の時期および確実さに関係するといえる. 欧米における肺癌の切除率1)2)3)4)5)は27~39%, 切除例の5年以上生存率は6~40%とされている. また, わが国では, 河合教授(1955)6)7)によると切除率は42%, そのうち根治手術例は半数以下, 篠井8)(1957)によると根治手術率は切除例の約35%, すなわち, 切除例の大部分が晩期例であることがわかる. 治癒率の向上には早期症例の切除が絶対に必要であることは, すでにOrerholt2)が述べている. すなわち, 切除例261例(1932~1953)中, 5年以上生存者55例は総て陰影の本質を決めるために開胸を必要としたものである, と述べている. 根治症例における術前診断が如何に困難であるかを示している. 肺癌診断の出発点はX線診断にあるといわれている1)~5)9)~18)が, このX線診断または他の疾患の診断に際し, たまたま異常陰影を発見されることがあるが, 多くは何らかの愁訴があつて医師を訪れ, それが診断のきつかけになる揚合が決して少くない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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