アブストラクト(8巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 化学療法後の遺殘小乾酪巣の安定性に関する病理細菌学的研究
Subtitle :
Authors : 水沼忠雄
Authors(kana) :
Organization : 国立療養所村松晴嵐荘
Journal : 日本胸部外科學會雜誌
Volume : 8
Number : 2
Page : 99-109
Year/Month : 1960 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「第I章 緒論」肺結核症に対する病理解剖学的研究業績は数多いが, 被包乾酪巣なかんづくその小病巣についての詳細な病理学的ならびに細菌学的研究は極めて少ない. 現今の肺結核症の治療は各種抗結核剤の出現と, さらに外科療法の進歩により目覚ましい発展をとげたのであるが, それらの適応の決定には病巣の形態学的ならびに細菌学的変化の理解が不可欠である. 一般に化学療法の開始とともに病巣における可逆性変化は消褪し, 不可逆性病変の部分のみが遺残する. 抗結核剤投与により空洞が閉鎖し, 喀痰中の結核菌が消失し, かつレ線学的に病巣が安定しそれが3カ月以上に亘り継続する状態を化学療法のTarget point1)と稱するが, かゝる状態に達した被包乾酪巣の運命を把握することは, 化学療法の常用化および外科療法の普遍化とともに, 肺結核症の治療上極めて重要な研究提題となつてきた. 肺結核症の治癒の困難性は肺の解剖学的特殊性と, 結核病巣の病理学的特殊性との連関により形成されるものである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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