Abstract : |
「第I章 緒言」著者は第1編に於て肺切除後の悪化率, 悪化に及ぼす囚子, 治療法及び予後などについて検討を試みた. 策2編では肺結核の外科的療法として長い歴史を有し, 現在もなお広く利用されている胸廓成形術(以下胸成術という)について術後の悪化率, 原因, 治療法及び予後などを究明し, 最後に胸成術, 肺切除術, 化学療法実施例間における悪化率を比較検討した. 「第II章胸成術後の悪化」「第1節対象及び研究方法」1)対象:昭和23年3月から昭和31年12月迄に実施した胸成術のうち肺切除術の場合と同一条件下でえらんだ256例を対象とした. 胸成術施行例を年令別, 性別にみると表1の如く肺切除術の場合と同様に20~39才が圧倒的に多く女性は著しく少い. 2)研究方法:病型分類及びX線学的悪化の定義は肺切除術の場合と同じにしたが, 細菌学的悪化は(1)術前菌陰性から術後陽性になつた場合, (2)術後の排菌量が術前の排菌量よりも増加した場合, (3)術後菌陰性化し6カ月以上経過したのちコロニー20ケ以上の排菌をみた場合などをさすことにした. なお悪化の観察は胸成術の完了時を起点とし, 悪化の累績度曲線はLife-Table法に従つた. |