アブストラクト(8巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 体外循環の研究 特に人工肺の改良と体外循環時における血液ガス代謝 糖代謝とに関する研究
Subtitle :
Authors : 疋島巖, 卜部美代志
Authors(kana) :
Organization : 金沢大学医学部第1外科教室
Journal : 日本胸部外科學會雜誌
Volume : 8
Number : 7
Page : 700-728
Year/Month : 1960 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 第1編 人工肺の改良に関する研究 [緒言] 今や心疾患に対する心内直視下手術は臨床的に安全に行なわれる段階に到達した1)2). このことは多数の研究者等の長年月の亙る努力と尨大な研究費用の結晶である. 心腔内を虚血状態にして直視下に心内手術を行うための心血流遮断法には, 大別して次の3方法が挙げられる. 1)低体温を応用し各臟器組織の代謝を低下せしめて, 全身循環を一時的に完全停止せしめる方法, 2)心肺機能の代行者を用いて一時的に心血流遮断を行う方法, 3)前2者の併用の方法, である. 低体温法を用いての心血流遮断に関しては, 既に1950年来Bigelow3), Swan4)らによつて基礎的研究がなされ, 1953年Lewis6)はこれを臨床に応用成功した報告があつて以来, 多数の臨床応用の報告がある. また木本5)は脳を撰択的に潅流冷却することにより同様の目的を達した. しかしこれら低体温法を利用したものでは, あくまで組織代謝の低下によつて心血行停止の可能時間が延長されるものであり, 25℃~28℃程度の軽い低体温法では, 体温と心血行遮断時間の関係において必ず組織の低酸素状態は発生するものであり, これが特に中枢神経系の不可逆性の変化を惹起するので心血流遮断には, 時間的制限が生じてくることは論をまたないところである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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