アブストラクト(9巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心電図から見た肺癌患者外科臨床の検討
Subtitle : 原著
Authors : 高田政吉
Authors(kana) :
Organization : 慶応義塾大学医学部外科学教室
Journal : 日本胸部外科學會雜誌
Volume : 9
Number : 12
Page : 1040-1051
Year/Month : 1961 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺癌の外科の臨床において, 循環器合併症を占める位置は大きい. それには2つの意味がある. その1つは患者に年配者が多いため, 動脈硬化や高血圧症などの合併を伴うこと, 換気障害, とくに閉塞性呼出障害をもつ人が多いので1), 肺循環から心臓自体を負の状態におき易いことである. これらには癌の本質による体代謝低下が加つて, 循環全系にさまざまの悪影響を及ぼす. これらを綜合した肺癌患者の循環機能低下はアノクシア, ハイパーカプニア, 低蛋白症, 貧血によつて代表され2). その2は切除療法に伴う術後急性循環不全を招来し易いことである. その急性死亡の原因は循環障害によるものがもつとも多い3). 著者は外科臨床における胸部疾患の心電図を観察するうち, 肺癌患者において変化の発現頻度がもつとも高く, これに手術を行うときの激変も著しいことを知つた. いうまでもなく, 手術予定の肺癌患者は, 低蛋白症や貧血は術前処置によつて補正され, ハイパーカプニアの著明なものも少い.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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