アブストラクト(9巻12号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 肺剔除予定患者における1側肺動脈閉塞試験の意義および切除適応の評価 |
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Subtitle : | 原著 |
Authors : | 尾形利郎 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 慶応義塾大学医学部外科教室 |
Journal : | 日本胸部外科學會雜誌 |
Volume : | 9 |
Number : | 12 |
Page : | 1052-1068 |
Year/Month : | 1961 / 11 |
Article : | 原著 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 「緒言」肺の機能は換気, 肺循環, 拡散の3因子によつて分析評価されることは周知のところである. しかし術前のこれら3因子の成績が肺剔除予定患者にたいしてもつ意義はまた別の問題である. すなわち肺機能が一般的によくても, 肺剔除にともなう機能的危険性をもつ症例があるからで, 一言にいうと術前の肺機能のみから肺剔除後の状態を正確に推測することが困難な症例がある, ということがある. 現在の肺外科において, 肺剔除術によつて治療をうける疾患は, 肺癌, 肺結核, 肺化膿症, 気管支拡張症などが主なものであるが, これらの術前肺機能には疾患の本質によつて差がみられる. すなわち気相面からいえば, 肺癌症例は機能低下の程度が軽く, 他の炎症性疾患では低下が著しい. それにもかゝわらず, 肺癌症例は肺剔除の適応が多いので, 肺剔除実施にあたつては換気機能正常の肺組織を大量に切除する結果になることがまれではない. このことは肺循環についてもいえることで, 正常肺血管床の著しい減少は, 残存肺の代償性がかなり良くないかぎり, 急性右心負荷の状態を生ずる危険性が多いのである. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : |