Abstract : |
「第7章 漏斗胸の外科的療法」 「第1節 緒言」本邦における漏斗胸に関する報告は前第3章において報告したごとく, 本邦においても平均0.3%の割の高頻度にみられる胸部の著名な奇型であるにも拘らず, 2~3の小児科医の発表がみられるにすぎず, 更にまたその外科的療法に関しては著者を除き他に全くその発表をみない. しかるに欧米においてはすでに古く1911年Ludwig Meyer147)らによつて始めて外科治療が報告されて以来, 幾多の発表がみられており, また1950年代に至つては此の種の報告が著しく増加して来のいるのであつて例えばLexer148), Sauerbruch149), Alexander150), Sweet151), Overholt152), De Bakey49)ら何れも世界的に著名な外科医達がこの漏斗胸の外科療法に関心を持ち努力してきている. 斯うした諸外国における漏斗胸に対する外科治療の趨勢を知るとき本邦においても漏斗胸の治療は, われわれ胸部外科に携わるものにとつて肺, 心臓, 食道, 縦隔等に対する外科の発達と共に重要な一つの課題であると言うことが出来よう. |