アブストラクト(9巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺剔除に伴う急性肺水腫の循環動態に関する実験的研究
Subtitle : 原著
Authors : 宇治康明, 前田和三郎
Authors(kana) :
Organization : 慶応義塾大学医学部外科学教室
Journal : 日本胸部外科學會雜誌
Volume : 9
Number : 8
Page : 776-793
Year/Month : 1961 / 8
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺水腫という病態には多種な原因がある. その症状は同じでも, その成立にはへだたりがあり, 発生因子の組合せによつて, 意外なときに発症をみる. 従来肺水腫は心不全にともなうものがよく知られているため, 循環器疾患(冠不全. うつ血性心不全・動脈硬化・高血圧・心臓弁膜疾患・慢性腎疾患)の随伴症状として理解されてきた. しかし胸部外科の発達につれて, 既往の循環器障害だけに原因を求めにくい症例の経験が報告されるようになつた. すなわち手術前の呼吸と循環系に全く異常のない症例に, 術中・術後, 肺水腫の発症をみたのである1)2)3)4). このことは胸部外科に特有な原因がなければならないし, その病態は心疾患をベースとした肺水腫のそれと相違するはずである. わたくしが慶大外科においてこういう疑問をもつたのは, 1954年末に経験した, 肺癌症例の右肺剔除術後にみた肺水腫のためである1). しかもその直後, 同様な経験が3回にわたつたので, 本症の病態と治療の研究は急を要する問題となつた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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