Abstract : |
「第I章 緒言」Hutchinson1)の肺活量による肺機能の研究はKnipping(1920~25)のSpirometory更にJacobeaus等2)3)4)5)6)7)8)のBronchospirometoryへと発展し, 更にCournand9)の心臓カテーテル法の臨床的応用を加え, 換気機能, 肺胞機能, 循環機能を適確に把握し, 綜合的に考察される様になり, これが肺外科の進歩に対しても負うところが大きい. 肺癌についてはBickel10)は換気機能の面より診断的価値を論じ, その障害は腫瘍により直接障害されたものと間接に誘発されたものとが互に影響するので, 肺癌に特有なものは少いが, 補助診断には役立ち, 特に肺内ガス混合障害があれば癌を疑うべきであるとし, 癌により間接に誘発された全肺容量の減少を指摘している. 伊賀11)は換気, 肺胞, 循環三相よりその機能を検討し, Hypoxemiaは病型にかゝわらず必ず存在し, 腫瘍の侵蝕により著しい障害をうけているものは, Hypercapniaの状態となり, 障害因子が相乗にに作用して悪循環をなすと言つている. |