アブストラクト(10巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心臓外科の1年間の回顧と将来の問題の焦点
Subtitle : 第14回日本胸部外科学会総会 特別講演(その1)
Authors : 木本誠二
Authors(kana) :
Organization : 東京大学
Journal : 日本胸部外科學會雜誌
Volume : 10
Number : 6
Page : 505-518
Year/Month : 1962 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 会長の指命により心臓外科過去1年間の進歩を中心に, 主な手術治療の現況を述べ, 大方の御参考に供したいと思う. 「人工心肺並びに低体温法」周知の通り人工心肺が直視下心臓内手術の手段として臨床的実施の段階に入つてからまだ8年, 日本では5年を経過したに過ぎないが, その安全性は急速に高まり, 殊にここ1年日本でも非常に進歩し, 1時間以上に亘る心臓内手術が困難なく行なえる状況となつている. 我々の教室について考えると, 以前の気泡型の装置からKay-Crossの回転円盤型(図1)に切替えたが, 酸素化能力が良いこと(図2, 酸素化装置)のために大流量を長時間維持することが可能となり, 殊に時間が経過しても酸素化能力が低下しないこと, 溶血も少なくポンプ(図3)の改良により心臓内の血液を回収する率が良いこと, などから, 手術もよほど楽になり, 成績も向上してきている. これは我々の装置についての経験であるが, どの教室でもそれぞれの装置の改良によつて同じような成績があげられており, 最近の心臓外科の進歩は人工心肺の安全な運転に負うところが大きい.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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