アブストラクト(10巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 乳腺及び縦隔外科の1年間の回顧と将来の問題の焦点
Subtitle : 特別講演(その4)
Authors : 卜部美代志
Authors(kana) :
Organization : 金沢大学医学部第1外科教室
Journal : 日本胸部外科學會雜誌
Volume : 10
Number : 8
Page : 221-236
Year/Month : 1962 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「A. 乳腺外科」最近1年間に乳癌の問題に関し, 本邦及び欧米において発表された報告は, 表1に示す如くである. これらの研究成績を綜括するにあたり, 私共自身の研究成績並びに経験に基いて述べてよいことがわかつたので, 茲に次のようにまとめた次第である. 1. 慢性乳腺症と乳癌との関係 日常私共の診療対象となる乳腺疾患に慢性乳腺症がある. 乳腺症は, かなり複雑な組織像を示すが, 上皮増殖の程度によつて分けて, 私共はこれを4型に分類することが出来た(表2). 一方乳癌の組織発生の状態を検べるには, 早期癌例を連続切片によつて観察することが重要である. 私共は慢性乳腺症の種々の変化からの癌化をみとめた(表3). 茲に示す症例においては, 明瞭な慢性乳腺症の像を示す数ヵ所に, 上皮の著明な異型化及び浸潤性発育をみとめ, 乳腺症からの癌化の状態を明らかに証明することが出来るが, しかもその癌発生は多中心性であることを観察することが出来る(図1, 2, 3, 4).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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