アブストラクト(11巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺癌に於ける流血中癌細胞の研究
Subtitle :
Authors : 林源信, 篠井金吾
Authors(kana) :
Organization : 東京医科大学外科教室
Journal : 日本胸部外科学會雑誌
Volume : 11
Number : 12
Page : 873-886
Year/Month : 1963 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「I 緒言並びに文献的考察」流血中に癌細胞を証明した報告はそれ程新しいことではないが, 癌細胞の血行性撒布, 延いては癌患者の予後と関連して研究されたのは比較的近年のことである. 外科領域においては, 根治切除後の予後を左右する重要な因子が, 局所再発と血行性転移であるが, 局所再発は, 早期手術と手術技術の発達, 術後照射の併用などにより解決し得る可能性があるが, 血行性転移に対しては有力な化学療法を得ざる限り, 大きな希望は持てない. 血行性転移防止を研究するに先立つてその発生過程を追及する必要があり, その目的として流血中癌細胞の研究が盛んになつてきた. 癌患老の末梢血中の癌細胞に関する研究としては, 既に1865年Thiersch1)が癌組織が静脈や淋巴管を侵蝕して静脈, 淋巴管を破壊しているのを病理組織に認め, 血行性転移の起る可能性を指摘して以来, 血中癌細胞の検索は, Goldomann2)(1897), Schmidt3)(1903), Aschoff4)(1906), Schleip5)(1906), Ward25)(1913), 沖中89)(1956), 黒田73)(1956), 景山91)(1956)等によつて報告によつて報告されたが, これらは何れも毛細血管内を癌細胞が栓塞している状態か, 又は病巣部血液の塗抹標本から証明したものである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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