アブストラクト(12巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 僧帽弁狭窄症の手術前後における肺胞拡散能力の変動-とくに膜拡散能力(DM)と肺毛細管血量(VC)の病態生理学的意義について
Subtitle :
Authors : 坂野洋南, 宮本忍
Authors(kana) :
Organization : 日本大学医学部第2外科教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 12
Number : 1
Page : 1-20
Year/Month : 1964 / 1
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「I. 緒言」僧帽弁狭窄症の外科的治療は戦後めざましい発展をとげた心臓外科の分野で最も普及し一般化されたものの一つであり, また, その病態生理学的研究も内外数多くの研究者たちの努力により推進されてきた. とくに肺胞膜に関する研究は1936年Parker, Weiss1)が僧帽弁狭窄症では肺毛細管基底膜の肥厚を伴う肺毛細血管の硬化性変化が起つている事を報告して以来, 肺胞膜を中心とした分析が種々の角度から行われ, 診断, 病型, 治療, 手術適応に多くの貢献をもたらしてきた. 僧帽弁狭窄症は弁口に狭窄性病変が生じ, その逆圧効果(Back pressure effect)のために僧帽弁口後方の仕事量が増大し, さらに肺動脈圧の効果が加味されて肺高血圧を発生し, このような状態が長く続くと肺血管に非可逆的な変化も加わつて, 右心不全におちいる過程をあゆむのである. それ故に弁口裂開術を行つた場合, すでに発生している肺循環障害が可逆的(reversible)であるか, 非可逆的(irreversible)であるかどうかは手術の予後を左右する最も重要な問題である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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