Abstract : |
「I. 緒言」循環動態の検索における放射性同位元素の応用は, 1927年Blumgart&Weiss1)らによりはじめてなされて以来1949年にはPrinzmetal&Splitzler2)らが心肺循環の体外計測を行なつて心放射図法の基礎を築き, 1953年Shipley&Clark3)らが心放射図法の心肺疾患診断への実用化を証明してから, ここ約10年間に著るしい進歩をとげた. 心肺循環機能検査法としての体外計測法の利用は心カテーテル法や色素稀釈法などにくらべて操作が簡便で被検者に与える苦痛もほとんどみられないなどの点で有利である. 測定値の信頼性についてはPritchard&Mac-Intyre4)5), Huff6), Gorton7), Sharpe8), Glick9)らにより, また本邦では上田10), 伊藤11)らにより報告され, さらに反復測定が容易である点からMahony12), Weinberg13)らは運動負荷前後の心拍出量の変化を比較して心予備力の推定に利用し, Sharp14)らは諸疾患の心機能の反応性の検索に利用し, 伊藤, 上田15)らは各種薬剤投与時の心拍出量の変化を観察している. |