アブストラクト(12巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開心術に於ける空気栓塞症の研究-冠動脈空気栓塞症及び胸腔内炭酸ガス送気法の予防効果を中心に-
Subtitle :
Authors : 江口昭治, 堺哲郎
Authors(kana) :
Organization : 新潟大学医学部外科教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 12
Number : 2
Page : 81-101
Year/Month : 1964 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「緒言」心臓外科の進歩に伴つて開心時の空気栓塞の発生予防の重要性が注目されている. 冠動脈空気栓塞症がその1つであり, 心臓内直視下手術後に予期せざる心筋の機能低下が発生することがあるが, 冠動脈空気栓塞がその1つである. 併し冠動脈空気栓塞には通常脳症状を合併することが殆ど無いことと, 又開心術終了後も体外循環を引続き続行すれば冠血管系より空気栓子を効果的に排除し得ると推定されたので, 直視下心内手術時の冠動脈空気栓塞症は今まで余り関心がはらわれず, 多分に軽視されていた傾向があつた. 併し著者は開心術に際しての冠動脈空気栓塞症の臨床的重要性を考え, 実験的に冠動脈空気栓塞の心筋機能に及ぼす影響を左右心室の機能曲線を用いて研究し, 且つ心筋の病態を組織学的に追求した. 又一定量の空気又は炭酸ガスをそれぞれ冠動脈, 頸動脈に注入し, その心筋又は脳に対する影響を比較検討し, 炭酸ガス栓塞が殆ど無害である事を証明し, 次いで開心時の空気栓塞発生予防の一助としての胸腔内炭酸ガス送気法の有用性を認めたので, その成績を述べ諸賢の御批判を仰ぐ次第である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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