アブストラクト(12巻13号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 人工心肺による体外循環
Subtitle : 綜説
Authors : 榊原仟, 石原昭
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 12
Number : 13
Page : 1053-1075
Year/Month : 1964 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「I 緒言」心疾患に対して, 心臓の出入血流を遮断し, 心臓を空虚にした上で心臓内部を手術するいわゆる開心術の発達は心臓外科に於ける, 最も大きな進歩の1つであつた. 心臓の血流を遮断する時間が長ければ当然危険であるから, 遮断可能の時間には自ら制限がある. これを延長させる方法が色々と研究されて来たが, 現在用いられている方法は低体温法と, 人工心肺による体外循環法である. 後述する如く, 人工心肺の方が早く研究されてはいたが, 結局, 低体温の方1)~8)が早く臨床に用いられるようになつた. 私達東京女子医大外科教室では多くの我国の外科医達と同様に9)~11), 早くから低体温法に関する動物実験を行つていたが, 1954年本法を用いて血流遮断を行い, 肺動脈弁狹窄の手術に成功した12). 此の時以来我国でも心臓内直視手術が行われる様になつた. しかし当時の中等度低体温法の26~32℃の低温では, Bigelow1)~5)は20℃で15分, Cookson13), Bailey14)等は26℃で12分, Swan8)は26~28℃で4分, 24~26℃で6~9分が心血流遮断許容時間として安全であるとして居り, 教室では37℃で4分, 30℃で10分, 20℃で20分位が可能であると主張した(図1)15)~17).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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