アブストラクト(13巻5号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 脳転移剔出と原発肺がんの剔除-症例報告と文献の検討-
Subtitle : 症例報告
Authors : 石川七郎*, 渡辺弘*, 小山靖夫**, 下里幸雄***
Authors(kana) :
Organization : *国立がんセンター外科, **国立がんセンター脳神経外科, ***国立がんセンター病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 13
Number : 5
Page : 408-418
Year/Month : 1965 / 5
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺癌症例に脳転移の高率であることは知られているが, この両者を切除剔出して救命にいたつたものははなはだ稀れである. こゝに報告する症例は, はじめ, 脳腫瘍の診断で腫瘍剔出後に肺癌が発見され, それを60CO照射後に放射線肺炎を生じて肺剔除を行い, 原発肺癌を認めた珍らしい例である. すなわち, 肺癌の脳転移がまず治療され, ついで原発巣の切除によつて術後1年2カ月健存することと, 上記の3治療がそれぞれちがつた3施設で行われたことが特異である. 本例の治療経過は多くの示唆に富み, 肺癌の遠隔転移を含む切除療法に大きい希望を与えるが, こういうチヤンスはどの位あるであろうか. 肺切除の適応, 脳手術の適応ばかりでなく, 両者の最大公約数をどこにおくべきかは検討を要する問題である. 本例を中心とし, 先人の業績を追つて考按したいと思う. 症例 患者:52才, 女性, 家婦 家族歴:配偶者健在, 4児の母, 長女20才のとき脚気衝心で失う. 既往歴:出生地は台東区下谷根岸, 以後下町に居住現在に至る. 生来健康, 10数年前肺浸潤といわれたがほとんど治療せずに経過した. 酒・タバコをのまない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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