アブストラクト(13巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心手術前後の副腎皮質機能の変動に関する臨床的研究
Subtitle :
Authors : 津田敏夫, 葛西森夫
Authors(kana) :
Organization : 東北大学医学部葛西外科教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 13
Number : 10
Page : 976-994
Year/Month : 1965 / 10
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「緒言」生体の内部環境の恒常性(Homeostasis)を攪乱する様なすべての外的刺戟, 即ちStressが加えられた時, それに対する特異的反応の他に, Stressorに抗すべき非特異的反応, 所謂汎適応症候群を示す事を1963年Selye1)2)が注目し, それには自律神経系と脳下垂体副腎皮質系が主役を演ずる事を強調して以来, Selye3), Sayers4)ら多くの研究者によつてこの方面の検索が進められ, 更に近時副腎皮質ホルモン定量法の進歩により, この複雑な反応機構も次第に解明されつゝある様である. しかし適応反応が非特異的であるとはいつても, そのStressの種類, 大小, 個体の年令, 生理的状態等により, ある程度異つた反応を示すであろう事はは容易に想像される. 一方, Bigelow5)6)(1950)の低体温法の導入を端緒として発達して来た心臓外科は, 人工心肺装置の開発と相俟つて著しい進歩を遂げ, 漸く普及されつゝあるが, 開心術においては, 低体温, 血流遮断, 混合交換輸血とも見られる体外循環等, 一般外科手術とは異なる侵襲が加えられるので, 脳下垂体副腎皮質系もまた, 一般手術とは異つた態度をとる事が考えられ, その究明は, 術前術後の管理の上から, ひいては心手術成績向上のために有意義な事と考えられる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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