アブストラクト(13巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺癌の細胞診
Subtitle : 綜説
Authors : 長石忠三*, 岡田慶夫**
Authors(kana) :
Organization : *京都大学, **京都大学結核研究所
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 13
Number : 11
Page : 1039-1058
Year/Month : 1965 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「I. 緒言」近年わが国でも肺癌が増加しつゝあり, 増加率では欧米諸国のそれを凌いでいる60)61). 肺癌の増加に伴い, これについての臨床的ならびに基礎的な知見もこゝ数年来急速に増しつゝあるが, 肺癌の治療成績は大巾に向上したとはいえない現状であり, 長期生存率においても他の臓器の癌のそれに比べてかなり劣つているようである70). その最も大きな理由は早期に発見される肺癌が非常に少ないためであり, Overholtら99)(1951)もいつているように, 自覚症状の発現前の早期に発見されゝばほとんどすべての症例においてリンパ節転移も少なく, 根治手術が可能であり, したがつて予後もまた極めて良好となるものと思われる. 肺癌の早期発見の最大の武器は何といつてもX線診断であるが, 肺癌であるとの確定診断を下すには他の何等かの方法により悪性細胞を証明しなければならない. 肺癌の確定診断を下す方法としてはいろいろあるが, その中で所謂細胞診(Cytodiagnosis, Zytodiagnostik)とよばれている方法, すなわち, 喀出された喀痰, 気管支鏡もしくはその他の方法によつてえられた気管支分泌物, 気管支粘膜の擦過物, 病巣の穿刺吸引物などから悪性細胞を検出する方法とうが最も広く行なわれている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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