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肺癌の肺剔除術後におこつた急性肺水腫の成因を求めるうち, 剖検で褐色細胞腫の併存を発見, その因果関係に興味ある知見をえたので報告する. 症例 堀○ 巖, 55才, 男 農業. 家族歴, 既往歴 特記すべきことはない. 煙草は20才より53才迄, 1日50本, その後本院入院時迄, 1日15本, 深く吸い込む. 主訴 咳嗽, 血痰. 現病歴 1960年11月頃から, 咳嗽, 粘稠半透明な喀痰があり, 1962年9月より, 時々血痰が出る様に成つた. 息切れ, 胸痛は無かつたが, 1962年11月20日本院入院迄の1カ月間に4kgの体重減少があつた. 現症 体格栄養中等度, 血圧130～80, 体温36.2℃, 脈拍72/分整. 皮膚, 頭部, 頚部異常無し. 女性乳房無し, 胸廓形正常, 呼吸運動正常, 聴診上右肺呼吸音やゝ減弱, 右肺門部に笛声音あり, 打診上やゝ短, 心音正常, 心の大きさ正常, 雑音なし. 腹部, 四肢異常なし, 淋巴節の腫大なし. 検査成績 血液像：赤血球数422万/mm3, 血色素90％, 色素指数1.06, ヘマトクリツト36％, 白血球数9,000/mm3, 白血球分類桿状核球13％, 分葉核球69％, 好酸球2％, 好塩球0％, リンパ球26％, 單球3％, 骨髄像正常. |
