アブストラクト(14巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 若年者の動脈瘤 原因不明の動脈炎による鎖骨下動脈瘤破綻の1症例
Subtitle : 症例報告
Authors : 何世雄*, 森岡幹登*, 百瀬健彦*, 沢谷哲*, 井上清美**, 林田健男*, 大津正一**
Authors(kana) :
Organization : *東大分院外科, **東大分院病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 14
Number : 2
Page : 213-221
Year/Month : 1966 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「はじめに」日常臨床家の遭遇する動脈瘤の大部分は梅毒や動脈硬化によるものが多く, 従つて年令的には50才前後から老令者に多い. しかし若年者の動脈瘤になるとその頻度も少く, 原因も老令者と可成り趣を異にする. 即ち先天的血管形成異常を除き, 外傷や感染等のはっきりりとした原因は別として, こゝに血管壁自体の病変, 非アテローム硬化により惹起される一群の動脈瘤がある. これを強いて挙げれば, Erdeheim1)2)により始めて報告された特発性中膜壊死症(Medionecrosis idiopathica)による解離性動脈瘤と, nonsyphiliticの動脈尖による仮性動脈瘤の2つに大別され, 何れも現在尚不明な点が多く, 且特徴として経過が速く, 早期に破裂する傾向があるとして注目されている. 著者等は最近偶然に27才の男子に発生した比較的進行の急な動脈瘤の破綻を経験し, 剖検で本症例が意外にも原因不明の慢性動脈炎を基礎とした多発性真性動脈瘤の中, 左鎖骨下動脈瘤の破綻とその肺内穿孔によるものと判明したので, こゝにその概略を報告し併せて本症例の病理, 若年者動脈瘤及び鎖骨下動脈瘤などについて若干の考察を行い, 諸家の御参考になれば幸いかと存ずる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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