アブストラクト(14巻5号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 亜急性細菌性心内膜炎の合併により肺動脈主幹狭窄を呈した動脈管開存症の1手術治験例
Subtitle : 症例報告
Authors : 井出研, 志村耕一, 佐藤順, 石田忠, 五島英迪, 松本昭彦
Authors(kana) :
Organization : 横浜市大和田外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 14
Number : 5
Page : 538-542
Year/Month : 1966 / 5
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「はじめに」動脈管開存症の手術は1938年, Gross1)がはじめて成功して以来, 心臓外科全般にわたる発達と共に多数の手術が行なわれるようになつた. しかし, 本症の手術手技は必ずしも容易なものとはいえない. とくに動脈管が太くて短いものや, 細菌感染を合併して血管壁の脆弱なものでは切離縫合に際して, 大出血を来たす危険が多く, 今日でも非直視手術のうちでは最も困難な手術の1つに数えられる. また他の心臓奇型に本症の合併する場合に, 体外循環を行なうに当つて, 動脈管の遮断をいつ行なうか, 動脈管への到達経路をどうするかという点が問題とされている. 我我は最近, 亜急性細菌性心内膜炎を合併し, 肺動脈主幹の狭窄を起こしたと思われる症例に対して体外循環のもとに手術を施行し, 治癒せしめたのでここに報告する. 「症例」 患者は11才の女児で出産は正常. 生後3カ月目に保健所で心疾患を指摘された. 生後1年に某大学病院で肺動脈狭窄症を伴なう動脈管開存症の診断をうけたが, 患者および家族の希望のないままに経過を観察された. 昭和39年9月, 微熱が数日間続き, 11月2日にも再び微熱があり, 某市立病院に8日間入院したが, 原因不明のままに退院し, 11月11日当科を受診, 入院した. 既往歴に特記することなく, 現在までにチアノーゼを認めたことはない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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