Authors : |
須磨幸蔵*, 佐藤文雄*, 堀原一*, 伊藤健二*, 藤森義蔵*, 三井利夫*, 三枝正裕*, 戸川達男**, 木本誠二* |
Abstract : |
著者らは昭和38年より心臓ペースメーカを臨床に使用しその経験を発表してきたが2)13)14), ここでは冠状動脈硬化などの原因によるペースメーカ装着房室プロツク症例の血行動態, とくに心拍数と循環諸量との関係などにつき報告する. 「対象と方法」 検査の対象とした症例は5例であり, まずその病歴を略記する. 症例1(CI13)と略記, 以下同じ)T.S., 75歳, 女 昭和36年12月より胸部不快感と徐脈を認めたが, 38年5月よりめまいなどの発作が頻発し脈拍数は20以下にも減少したので, 9月救急的に右心室壁に一時的電極を縫着して体外式ペースメーカでpacingを行なつた. 同年8月電池自蔵型ペースメーカの体内植込みを行なつたが電池消耗のため39年3月より電極リードを体外に導き, これに携帯用小型体外式ペースメーカを接続して刺激を続行した. 40年11月刺激閾値上昇のため右室縫着電極によるpacingが困難となつたので, USCI社製カテーテル電極を前頚静脈から右心室に挿入し, これに直接誘導型ペースメーカ受信部を接続して胸壁皮下に埋没し誘導式に刺激する方法をとつた. しかし刺激閾値は再び徐々に上昇し42年3月9日刺激不能となり脈拍数は20位に減少した. |