Abstract : |
「第1章 緒言」1954年Gollan21)22)によつて血流冷却による超低体温の研究が始められてから既に10年になる, この間, Drew12)13)15)を始めDubost14)17), Shields44), Gordon23)24), Negre34~37), Sealy43)45)46), Ballinger7), Patterson40)ら数多くの研究者によつて広く超低体温の臨床的応用が試みられた. しかるに, 1962年Bjork8)9)が超低体温法に対して厳しい批判の論文を発表して以来, 低体温法の焦点は超低体温法を離れて, 専ら軽度低体温法に向けられた感がある. しかしながら, Bjorkらの説く超低体温下の“Sludging”に対して, 近年高度の血液稀釈によつて末梢循環を改善し, この厚い壁を打ち破ろうとする試みがあり20)27)42)53), 又一方Drew15), Negre35), Doubourg18), Connolly11), Almond1)らは低体温の導入を慎重に行なえば脳傷害の発生は防ぎうるとの見解を述べて暗にBjorkの考え方を批判している. |