Abstract : |
「第1章 緒言」1813年Le Gallois1)が体外循環の概念をといたのを始まりとして, 1855年Von Frey and Gruber2)が最初の人工心肺装置を作製, その後Gibbon3)4)が1937年に実験的に心臓手術の手段として利用することを研究, さらに1953年6)にはじめて臨床に応用して以来, 人工心肺装置の心臓手術への応用は実に著しいものがある. 他方この人工心肺装置を心臓手術以外の目的に応用しようとする試みもふるくからあり, 1952年Helmsworth6)による肺機能不全患者の静脈血を酸素加して潅流した報告に続いて, 1953年Dennis7), 1955年Neuman8), 1958年Conolly9), 1959年Dickson10)11), Bell12), Veith13)およびHamer14), 1960年Salisbury15), 1962年Bain16)らの, さらにわが国においても, 1957年以来阿久根17)18), 小田19), 佐久間20)らの実験的ならびに臨床的研究に関する報告があり, 人工心肺使用による体外循環の内科的応用ともいうべき, この分野でのめざましい発展がみられる. |