アブストラクト(14巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 静脈移植の研究 特に上大静脈遮断および移植の研究
Subtitle :
Authors : 川嶋旭, 杉江三郎
Authors(kana) :
Organization : 北海道大学医学部第2外科教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 14
Number : 12
Page : 1310-1329
Year/Month : 1966 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「I. 緒言」近年外科治療は生体の形態, 生理学的な基礎的事項の解明及び高分子材料など他分野における開発の進歩に伴ない, 所謂従来の外科的手段による治療に止ることなく, 罹患臓器の形態, 機能と同価のものと置換するという人工臓器の概念が加味されるようになり, 更に進んで重要臓器に対する臓器移植の試みが行なわれるなど大きな飛躍を遂げつつある. 血管外科領域についてみても動脈系では細小血管の移植に未だ問題が残つているが, ほぼ解決された感がある. しかし静脈系では臨床上, 移植及び短絡手術の必要性を痛感する事があり, そのため移植に関する多くの研究が行なわれているに拘らず未だ確立された方法が見出されていない. 茲に著者は大静脈として上大静脈を取り上げ, 胸腔内悪性腫瘍根治手術における静脈再建の必要性, 及び心臓血管外科手術進歩に伴なう遮断頻度などの増加に伴ない, その閉塞時における病態生理の再検討が望ましい事と思われたので, 先ず基礎的事項として上大静脈の漸進狭窄および急性遮断時における病態の比較検討を試み, 次いで静脈移植にみられる閉塞が早期血栓と晩期狭窄の二つに大別さることこれらの二つの型の閉塞の防止対策を主眼として移植材質の選定, 吻合方法の工夫を中心に移植実験を行ない検討した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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