アブストラクト(15巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 食道癌手術と換気機能に関する研究-特に左開胸開腹術式の影響について-
Subtitle :
Authors : 伴精一郎, 赤倉一郎
Authors(kana) :
Organization : 慶応義塾大学医学部外科学教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 15
Number : 7
Page : 720-732
Year/Month : 1967 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「第1章 緒言」近年, 外科的治療の進歩とともに, 食道癌の根治的手術は, 術式の確立と安全性の向上につれ, 一般に広く行なわれるようになつて来たが, 現在においてもなお, 他の外科手術に比して術前全身状態の不良, 手術侵襲の過大, 術中, 術後合併症の高率な発生等, 多くの困難性を含み1)2), 手術死亡も比較的高率である. とくに, 食道癌患者には高令者が多く, 臨床上, 術後心肺系合併症の高い発生率は重大な問題であり, 手術の適応決定に際しては, 手術前後の病態生理の特殊性を充分考慮する必要がある. 換気機能については, 年令の増加につれて器質的疾患とは別に, その機能低下と, 術後の経過におよぼす影響については, 従来よりしばしば論じられて来たことであり3)4)5), 手術にあたつて, 術後の換気機能を温存することに充分留意することが重要である. この理由により著者は, 教室で取り扱つた食道癌患者について, 入院時の換気機能を調査, 検討すると同時に, 他方では下部食道噴門癌に対して, 充分な手術野のもとでその根治性を高めるために教室で主として行なつている左開胸開腹, 肋骨弓, 横隔膜を切開する術式が, 術後管理上, また遠隔時換気機能にどのような影響をおよぼすかは重要な問題であり, この点について, 上中部食道癌に対する右開胸開腹, 横隔膜非切開による術式と, 術直後, ならびに術後の遠隔時推移について, 横隔膜切開による影響を中心に, その得失について比較検討した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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