アブストラクト(15巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 低体温における心搏電気調律装置の応用;特に16℃以下の超低体温時心搏維持に関する実験的研究
Subtitle :
Authors : 毛利平, 石川茂弘, 松本俊郎, 堀内藤吾, 葛西森夫
Authors(kana) :
Organization : 東北大学医学部葛西外科教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 15
Number : 7
Page : 768-782
Year/Month : 1967 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「第1章 緒言」Bigelow1), Swan2)らによつて開拓された低体温法の分野は, その後多くの研究者によつて一層の発展を見, 従来の概念を遙かに越えた低い体温まで冷却し, 長時間の開心術が安全に行われる様になつた. 然し, 何としても低体温法の1つの隘路は心室細動発生の問題である. 低温になるにつれて心室細動発生の頻度が高まるが, 特に表面冷却では, 直腸温10℃前後まで心室細動なしにしかも充分な心収縮を保たせながら冷却する事は困難の様である. かかる低温時の細動に対しては, Massage-Counter Shockによる除細動も頻回行わなければ効なく, 長期にわたる心マッサージの結果心筋の障害を惹起する事は明白である. 低温に伴うこの様な心室細動発生の原因については, 種々論議のある所であるが, 体温下降と共に次第に心搏数が減じ16℃前後で殆んどの動物が心停止, 心室細動に移行するにもかかわらず, 心筋には10℃以下までもなお収縮能力がある事実3), および, 心室細動の前に多くは甚しい徐脈・不整な期外収縮・房室ブロック等を起して来る事より想起して, 高度の循環不全に依る有効冠血流量の減少が心室細動発生の一要因となつているのではないかと考えられ, その様な場合電気的に直接心室に刺激を与える事により有効な心収縮を起させる事ができれば, 心室細動なしに動物をより低体温までもつて行く事が可能ではないかと考えた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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