アブストラクト(15巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 虚血心におよぼす静脈還流制限の効果に関する実験的研究
Subtitle :
Authors : 横山正義, 榊原仟
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学日本心臓血圧研究所
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 15
Number : 11
Page : 1113-1128
Year/Month : 1967 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「第1章 緒言」虚血性心疾患に対する外科的治療は多種多様あり, 年々より完全なものへの努力がなされつつある1). これら外科的治療の多くは, 虚血心筋への動脈血供給量を増加せしめようとする方法であるが, これに対し, , 補助循環等を行なつて心筋の負荷を減少させることによつて, 狭心症や心筋硬塞発作時の危期を脱せしめようとする処置も研究されている. 心不全の治療として, 潟血や駆血が有効であるごとく, 虚血性心筋による狭心症の場合も, 心負荷を軽減することが, 危険期を脱出せしめる有効な治療になるもの思惟される. 大動脈弁閉鎖不全症の患者は, 冠動脈それ自体は正常人より太い(図1)にもかかわらず, 狭心症発作を起し, 坐位やバルサルバ法が, 狭心痛を軽減させるに有効である. そして, この種の患者では, 大動脈弁の手術をすることで, 狭心痛も消失するのである. すなわち, 大動脈弁閉鎖不全症における狭心症発作は冠動脈の細小による絶対的の血流量の不足から起るのではなく, 大動脈弁不全のために増加した心仕事量が, 冠血流の増加をも凌駕することによつて狭心症発作が起るものと理解される.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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