| Authors ： |
阿部稔雄*, 福慶逸郎*, 弥政洋太郎*, 小暮尚*, 横地浩史*, 野尻とき子**, 加藤宏***, 橋本義雄*, 小川次郎**, 中江亮一*** |
| Abstract ： |
「1. 緒言」先天性心疾患の死亡頻度が乳児期において極めて高いことから, 最近, 乳児心臓外科に関する報告が多くみられるようになつた. われわれの教室においても, この問題の重要性にかんがみ, 昭和35年以降, 名古屋市立大学小児科, 名古屋大学小児科との協力のもとに, 乳児心臓外科の臨床のために些かの努力を傾けてきたので, 今回それらの結果につき報告する. 「2. 乳児先天性心疾患の予後調査」名古屋市立大学小児科と当教室との協力の下に, 昭和35年10月から昭和39年3月までの3年6カ月間に2才未満で受診した乳児先天性心疾患149例について, 追跡調査を施行した. その累積死亡率は表1に示されているが, その死亡原因には, 心疾患による死亡の他, 必臓手術による死亡, 他疾患または他の合併奇形による死亡が含まれている. 心疾患による自死然のみの累積死亡率をみると, 生後3カ月で13.2％, 6カ月で20.0％, 1年で26.3％, 1年半で32.6％であつた(表1). |
