アブストラクト(16巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 小児用人工心肺装置の研究
Subtitle :
Authors : 有吉敬, 橋本義雄
Authors(kana) :
Organization : 名古屋大学医学部第1外科学教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 16
Number : 6
Page : 607-624
Year/Month : 1968 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「1. 序言」小児における体外循環下開心術の成績を左右する要因としては, 疾患自体の適応および重篤度, さらに麻酔や術中術後の管理面における諸問題など, さまざまの因子があげられよう. しかし, すでに小児期において開心術の必要に迫られる疾患自体の重篤性を別とすれば, 成人のそれと本質的な差異があるはずがない. しかし従来の小児体外循環がもつぱら成人用の大型人工心肺装置によつて行なわれてきた事実は看過することのできない重要な問題である. 数千mlに達する血液容量をもつ成人用装置を使用しながら, 小児のわずか数百ml前後の循環血液量を正確に維持することは実際にはかなり困難な問題である. また循環終了後における患者生体の血液残存率からみても, 小児症例に対する成人用装置の使用は両者の血液容量の差異があまりにも大きく, これが明らかに過大の侵襲となり, きわめて不利であると考えられる. このような見地から, 小児症例に対する体外循環は, 小児の特殊性, とくに呼吸・循環生理からみた小児の特殊性に考慮をつくした特殊な人工心肺装置によつて行なわれなければならないのは当然といえよう.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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