アブストラクト(16巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 気管再建に関する基礎的研究
Subtitle : 原著
Authors : 板谷久雄, 林周一
Authors(kana) :
Organization : 順天堂大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 16
Number : 7
Page : 754-775
Year/Month : 1968 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「第1章 緒論」 胸部外科領域における手術手技, 麻酔等の進歩と化学療法の発達に伴つて, 肺切除術は, 現在ではほぼ完成の域に達しているが, 気管, 気管支再建に関する外科的療法は多くの研究にもかかわらず未解決の問題を多く含んでいる. 気管, および気管支吻合の手術手技においても多くの問題が残されており, 代用気管, 気管支についても, 材料の吟味から免疫反応に関する事項まで, 種々の検討が加えられなければならない. 気管, 気管支外科における実験的研究は, 1881年, Gluck1)が喉頭手術に際して, 嚥下性肺炎予防の目的で行なつた気管端々吻合に始まると云われる. その後直接気管, 気管支の端々吻合, あるいは端側吻合による実験報告はClagett(1948)2), Daniel(1948)3), Ferguson(1950)4), Mayer(1951)5), Kiriluk(1953)6), Pacheco(1954)7), 西(1954)8), 河合(1956)9), 中山(1956)10), 片岡(1958)11), 等があり, 臨床報告例では, Griffith(1949)12), Daniel(1950)13), Paulson(1951)14), Gebauel(1952)15)16), Grafoord(1954)17), Bjork(1955)18), Thompson(1955)19), Grillo(1963)20), 神津(1956)21), 松前(1956)22), 中山(1956)10), 導躰(1959)23)等の報告がある. しかしながら, 直接吻合法ではその欠損の長さは頚部気管で4cm以内, 胸部気管で1.2cmないし3.5cmとされており, さらに長い範囲の欠損に対しては適当な補填材料を使用しなければ再建できない. 部分欠損の場合でも, 広範囲の欠損であれば直接吻合を行なつても, かえつて狭窄を助長する恐れがあり, 何らかの補填材料を必要とする. そこで自家組織, 同種または異種組織, 種々の合成材料が単独, あるいは, 種々の組合せで欠損部補填材料として用いられるようになつた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
このページの一番上へ