アブストラクト(16巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 人工心肺による体外循環の臨床的研究 とくに人工心肺装置について(臨床研究篇)
Subtitle : 原著
Authors : 鷲津卓爾, 橋本義雄
Authors(kana) :
Organization : 名古屋大学医学部第1外科教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 16
Number : 7
Page : 776-791
Year/Month : 1968 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「III 臨床研究篇」 1. 臨床における体外循環回路と付属装置 前章までに装置の主要構成部分である人工肺, 血液ポンプの改良点について主としてのべた. これらを中心に形成される人工心肺装置は幼小児から成人にいたる, おのおのの異なつた生理条件をもつた生体に対するそれぞれの潅流に適合させるために, 一定のキヤビネットに人工肺, 血液ポンプなどを固定した装置を否定し, 症例, 潅流方法に応じ, 必要とするものだけを組合せて使用するseparate型がすぐれていることをのべた. 本章はその臨床使用にあたつて具体的な回路形成と, それに要する付属装置についてのべる. 「1-1. 臨床における体外循環回路」 図15はseparate型人工心肺装置による体外循環回路のダイアグラムである. とくに高流量を要する場合, あるいは冠血流量が多量で, 心内血吸引がきわめて多量になることが予想される場合を除いて, 大静脈から人工肺へ直接落差で脱血し, 静脈貯血槽は使用しない. 上下大静脈からは独立した2本のチューブで人工肺へ脱血を行なう. やや径の大きいチューブを1本使用する場合に比して, 前章の計算によれば抵抗と血液容量の関係は不利である. しかし, 生体の上, 下大静脈別の還流量は必ずしも同一でなく, 脱血量は静脈圧を指標に, 上, 下別途に調整すべきであり, 静脈カニューレの位置不良などでの事故にも対処しやすい.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
このページの一番上へ