アブストラクト(16巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開心術後における酸塩基平衝と血行動態-とくに各疾患との関連について-
Subtitle : 原著
Authors : 寺島雅範, 浅野献一
Authors(kana) :
Organization : 新潟大学医学部外科学教室第2講座
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 16
Number : 9
Page : 950-965
Year/Month : 1968 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「1.緒言」 アチドージスの生体におよぼす影響は興味ある命題であるが, 心臓外科領域では, 人工心肺臨床応用の当初から, 体外循環による代謝性アチドージスが注目されてきた. 爾来, 酸塩基平衡の面からも, より生理的な体外循環を維持すべく, 人工心肺の実施に種々な対策がなされ今日にいたつている. 低体温法の併用, 血液稀釈体外循環, 高流量潅流などに加え, 最近では重炭酸ナトリウム, T.H.A.M(Tris-hydroxymethyl Aminomethane)などの緩衝液による積極的なアチドージスの治療が一般的となつている. 教室では, 1965年4月以来, 体外循環症例の酸塩基平衝障害とその補正法について検討を加えるとともに, アチドージス補正の血行動態におよぼす影響について, 実験的, 臨床的研究を重ね, アチドージス補正の意義ならびに有用性を強調してきた. 著者は酸塩基平衝を論ずるにあたつては, 臨床的には原疾患の重症度や体外循環の諸条件によつて生ずる変化を考慮すべきと考え, 本論文では, 教室における臨床成績を中心に, おもな疾患別に酸塩基平衝の推移を検討するとともに, それら疾患の開心術後急性期における循環諸機能の変動と酸塩基平衝の関係を追求し, あわせてアチドージス補正の臨床的意義について考察を加えてみたい.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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