アブストラクト(16巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心内損傷を来した非穿通性心臓外傷の一治験例
Subtitle : 症例報告
Authors : 井上正, 西川邦, 須田英明, 小出司郎策, 福田豊紀, 赤倉一郎
Authors(kana) :
Organization : 慶応義塾大学外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 16
Number : 11
Page : 1182-1187
Year/Month : 1968 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 従来, 心臓外傷に関する報告は, 刺創, 銃創などによる穿通性外傷がその大部分を占めていた. しかし, 近年における交通外傷の激増や労働災害, スポーツ外傷などの増加に伴って非穿通性心臓外傷についても注目されるようになって来た. 心臓外傷は一般にその臓器特異性から, 受傷直後の極く早期に手術的治療を行なわない限り, その予後は極めて不良である. 非穿通性心臓損傷についてみても, 心筋内出血, 浮腫, 心筋断裂などを来し, 早期に左心不全を惹起する心臓挫傷, あるいは急性心タンポナーデを来す心臓破裂などは, その経過が急性で放置すれば救命は極めて困難となる. しかし, 心室中隔破裂, あるいは弁断裂などの心腔内損傷を来したもののなかには, 必ずしも急激な変化をとることなく, かなり慢性に経過する場合があるので, この間に外科的手術によって根治せしめうることが可能である. わが国における非穿通性心臓外傷の報告はきわめて少なく, とくに心腔内損傷の手術例は現在まで未だ認められていない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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