アブストラクト(17巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 近代肺外科に関する反省と今後の問題
Subtitle : 第21回日本胸部外科学会総会会長演説
Authors : 加納保之
Authors(kana) :
Organization : 慶応義塾大学, 国立療養所村松晴嵐荘
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 17
Number : 1
Page : 1-3
Year/Month : 1969 / 1
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 今回の日本胸部外科学会で発表されました演題を通覧しますと心臓血管に関係した研究が約52%を占めておりますのに対し肺関係は28%に過ぎないのでありまして最近の胸部外科における研究の焦点が心臓に集中していることがはつきりとみられるのでありますが, 昭和38年の第16回までは肺関係の演題が常に多かつたのであり, そのうちでも肺結核に関する演題が絶対多数を占めていたのでありまして胸部外科の発展の基礎には肺外科があり, 肺外科はまた肺結核を主要な舞台として進歩してきましたことはわが国ばかりではなく世界を通じて等しく認められているところであります. その理由としますところは肺結核が内科的にはほとんど絶望的疾患であつたことと, 他の疾患とは比べものにならないほど多数の症例が存在したことにあると思います. 今日では結核患者が著しく減少しましたこともあり, 肺外科に対する熱心さも低下しているようにみられますけれども, なお今後解決しなければならない問題は極めて多いのであります.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
このページの一番上へ