Abstract : |
「I. 緒言」 開心術を行なう手段としてBjork1), Gibbon2), De Wall3)らによつて開発された人工心肺装置は, その後も多くの基礎的, 臨床的検討が積重ねられ, 今日では各種の装置が医療機器として市販されるに至つて広く諸施設に普及している. とはいうものの, これらの装置, ことに人工肺の操作方法に関しては未だにOperatorによつて種々であり, したがつて, その人工肺を誰が操作しても動静脈血ガス性状を長時間にわたつて生理的レベルに保ちうるというものではないのが現状であろう. このことは各人工肺の換気特性に関する情報が少いため, 公式化された各人工肺の適正操作条件が見出されていないことに起因するものと考えられる. このような観点から教室では, これまでDeWall Lillehei型およびKay-Cross型人工肺のそれぞれについて, その換気特性を検討して適正操作条件を見出し4)~6)この条件にしたがう限り長時間安定した血液ガス動態のえられることを臨床的にも実証して来た7)8). そこで今回は, 最近, そのself-containment, disposability, rapid-availabilityおよび経済性など臨床的な応需性の豊富さから急速に普及しつつある各種のdisposable bubble oxygenatorについて, 基礎的な構造上のちがいとこれに基づくガス交換特性のちがいを検討し, より適正な気泡型人工肺の操作条件あるいは使用基準を決定しようとして今回の実験を行なつた. |