アブストラクト(17巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 重症筋無力症の血清学的研究
Subtitle : 特別掲載
Authors : 加藤恒康, 斉藤昊, 片岡一朗, 木村義民*
Authors(kana) :
Organization : 日本医科大学第2外科教室, *日本医科大学細菌教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 17
Number : 9
Page : 1041-1048
Year/Month : 1969 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「第1章」 重症筋無力症の抗原抗体系について 重症筋無力症患者の血清中に, 自己の筋組織の1つ, あるいはそれ以上の抗原に対して, 流血抗体が時に証明されることを1960年Strauss1)が報告して以来, 本疾患と自己免疫現象との関連について数多くの研究がなされてきた. 免疫現象における胸腺の重要性についてはmiller2)らを始めとして多くの発表の示すところであるが, 本疾患のあるものは自己抗体と胸腺腫を伴なうことから, 胸腺摘出が自己抗体の消長に如何なる影響をおよぼすかは, 自己免疫の機作の解明に極めて重要である. 本症の抗原物質にいてはStrauss1)らが蛍光抗体法により, 抗体が筋および胸腺と特異的に結合することから, 抗原は両者に存在する核酸蛋白であろうとし, 1961年Harvey3)らは蛍光抗体法と電子顕微鏡の所見から抗原様物質はmyosinあるいはactomyosinであろうと推論した. 1964年Namba18)らはd-tibocurarineとの沈降から筋終末板のリボ核酸蛋白に抗原性を見つけているが, 未だ結論の段階に至つていない. これらの点を明らかにする目的で, 本症における抗原および抗体様物質の物理化学的性状を明らかにするとともに, 胸腺摘出の抗体の消長と臨床症状におよぼす影響について追求し, 考察を加えた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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