アブストラクト(17巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 正弦波電磁血流計による大血管の血流測定法に関する研究
Subtitle : 特掲
Authors : 佐々木嘉直, 斉藤昊, 庄司佑助
Authors(kana) :
Organization : 日本医科大学第2外科教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 17
Number : 9
Page : 1049-1061
Year/Month : 1969 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「I. 緒言」 1952年Kolin1)が血管を切断せずに, より生理的な状態のもとで血流を測定するnon cannulating typeの電磁血流計を発表して以来, 電磁血流計は循環動態の研究における不可欠の血流測定法になつてきた. その後エレトロニクスの発達に伴つて改良がなされ2)~5), 最近の数年間に電磁血流計による血流測定に関する報告6)~19)は数多くみられている. 従来, Indicater dilution methodやFick methodは測定値の正確性が比較的高いとされており, とくに放射性同位元素を用いた体外測定法20)~22)は非観血的な血流測定法として普及しているが, いずれも血流量の時間的変動を連続的に観察することは不可能である. 電磁血流計は, その使用に際して外科的な手段を必要としなければならない難点はあるが, 連続的な血流変化の追求, 瞬間値の測定, 血流波形の描記などが可能な点では現在最もすぐれている血流測定法であろう. とくに胸部外科領域においては, 血流量の正確かつ迅速な測定は重要であり, この方面の研究にも本血流計はきわめて有用である. しかし, 電磁血流計を用いて信頼性のある測定値を得るためには, その使用に当つていくつかの注意すべき点があり, これらがむしろエレクトニクス関係の基本的な間題よりも測定値の誤差を大きく左右する因子となつていることの方が多い. Wyatt23), 金井24)らは電磁血流計に関する問題点につき詳しく発表しているが, 血流測定上の手技に関連が深く, しかも測定値に最も重大な影響を与えるのは検出部(プローブ)のCalibration”と“Zero Flow Levelの決定であろう. その他, 一般的な事頃としては電気的雑音の問題が挙げられる. そこで著者は, 主としてnon cannulating typeの正弦波電磁血流計を使用する立場からこれらの解決すべき問題を検討し, さらに二台の血流計による同時測定の方法および大静脈血流測定法などについて若干の知見を得たので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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