アブストラクト(17巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Fallot氏四徴症根治手術における右心室流出路形成術の実験的ならびに臨床的研究-とくに血行動態を中心として-
Subtitle : 原著
Authors : 入沢敬夫, 浅野献一
Authors(kana) :
Organization : 新潟大学医学部外科教室第2講座
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 17
Number : 10
Page : 1099-1119
Year/Month : 1969 / 10
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「第1章 緒言」 Fallot氏四徴症極型, 肺動脈閉鎖症, 総動脈幹症などの右心室流出路の著明な狭窄あるいは閉鎖を伴つた疾患に対する根治手術の一環として, 右心室と肺動脈間に効果的な交通を得る右心室流出路形成術がある. その術式の1つとして代用血管を使用する右心室肺動脈Bypass法があり, Hurwitt1)(1947年), Lopez-Belio2)(1960年), Gilbert3)(1962年), Glotzer4)(1962年), Seidel5)(1965年), 新井6)7)(1966年)によつて実験的に研究され, その臨床応用への試みも, Klinner8)(1965年), Ongley9)(1966年), Kiser10)(1968年)により行なわれている. しかし臨床応用については, とくに術後に発生する肺動脈弁閉鎖不全が心臓におよぼす影響など検討すべき基本的な問題がある. 著者は実験的に右心室肺動脈Bypass法(以下RV-PA Bypass法と略す), および付随する肺動脈弁閉鎖不全の血行動態的影響を検討するため, 弁なしテフロン代用血管を用いRV-PA Bypass犬を作成し, 術後各期にわたり心臓カテーテル法や心臓血管造影法を行ない, さらにIsopropylarterenol負荷11)(以下IPA負荷と略す)もあわせ行ない, その動的変化を追求した. また, 右心室流出路patchによる肺動脈閉鎖不全犬を作成し, その血行動態をRV-PA Bypass犬のそれと比較検討した. さらに著者は臨床的にFallot氏四徴症根治手術症例について, 術後各期にわたり前記の諸検査を行ない, 手術術式と術後の血行動態との関連を中心に検討した. 以上の検索から, 代用血管によるRV-PA Bypass法の血行動態上の問題について, また臨床的にはFallot氏四徴症根治手術術式と術後の血行動態の関連について, いささか新しい知見を得たので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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