Abstract : |
「I. 緒言」 心臓活動電位は他の興奮性組織と異なり, スパイクのあとに特有なプラトー相を有し, この電気生理学的解釈については多くの研究1)2)がなされている. 現今のプラトー成因に関する代表的理論は, Hodgkin & Huxleyのイカの巨大線維の活動電位発生理論を心筋に適応したNoble3)の研究と, プルキニエ線維に電位固定法(voltage clamp method)を応用してプラトー相におけるイオン流を記録し, その結果からプラトー発生理論をうちたてたDeck & Trautwein4)の一連の研究によつて代表されておるが, 両者の間ではなお一致した意見が得られていない. 一方臨床心電図上Q-T間隔はrate-depententの変化を示し, 心拍動数が増加するに従つてQ-T間隔は短縮し, これを数式的に取扱つたのがBazzet5)(1920), Fridericia6)(1920), Holzmann7)ら(1939)およびKissin8)(1948)で, R-R間隔よりQ-Tcを計算し, 今日心電図診断上血清カリウム, カルシウムの増減の1つの指標としている. |