アブストラクト(17巻5号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 左心バイパス法による胸部下行大動脈遮断に関する実験的ならびに臨床的研究
Subtitle : 原著
Authors : 本城巌, 砂田輝武
Authors(kana) :
Organization : 岡山大学医学部第2外科教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 17
Number : 5
Page : 574-592
Year/Month : 1969 / 5
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「第I章 緒言」 近年心臓外科の発達とともに血管外科も著しく進歩し, 従来ならばたんに学問的興味の対象にすぎなかつた胸部大動脈瘤も根治可能なり, 欧米ではすでに多数の手術症例が報告され, その成績も次第に向上しつつあるが, 本邦における手術成績は末だ良好とはいわれない. 胸部大動脈の手術には大動脈遮断が絶対必要であり, 遮断により惹起される心, 腎, 神径系の各種障害を防止するため, 従来から全身低体温法1)~5), 人工心肺による体外循環法6)~8), 髄液排除法9)10), 左心バイパス法7)11), 一時的短絡形成法12)~17), など種々の補助的手段が試みられ, それぞれ一応の成果が発表されている. これらの方法には一長一短ありその優劣はにわかに断定しえない. 全身低体温法は簡便であるが循環停止時間に制限があり, 人工心肺による体外循環法は特殊の装置を心要としかつ操作が複雑である. 一時的バイパス短絡法は手術手技が複雑で手術に長時間を要し, 髄液排除法はもつとも簡便であるが一時間以上の遮断にはなお問題がある. 著者は胸部大動脈遮断をより生理的かつ可及的長時間にわたり安全に行なうため, 各種の方法のうちもつとも優れていると思われる左心バイパス法を選び, 種々の点より検討し若干の知見を得たので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
このページの一番上へ