Authors : |
篠崎拓, 秋山文弥, 伊東政敏, 折田雄一, 矢田公, 中納誠也, 千種弘章, 呉海龍, 畠中陸郎, 横田唯一*, 青木高久* |
Abstract : |
「緒言」1875年Rokitansky1)が, 剖検で両大血管は解剖学的に置換しているが, 生理的には正常の血行動態を保つている例をみて, 修正大血管転位症と命名した. 本症だけでは, 血行動態は正常に保たれているので, 問題はないが, 本症のほとんどが何らかの心内合併奇形を伴つているので15)16)17)開心術の進歩普及した今日, 発生頻度の少ないとされている本症2)に遭遇する機会が多くなつている. われわれも最近本症に伴う心内合併奇形3例の手術症例を経験した(表1). 本邦では1961年高尾3)により剖検例を含めた4例の本症が報告されて以来, 昭和43年10月現在文献的には4)5)6)7)8)9)10)11)12)13)33例に達している. そのうち手術を施行したものは, 13例であるが, 開心根治手術成功例は4例に過ぎない(表2). われわれの開心根治手術治験例2例と試験開胸に終わつた1例を報告し, 本症に伴う心内合併奇形の外科治療の問題を考えてみた. |