アブストラクト(17巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 虚血性心に対するVineberg氏手術およびわれわれの改良法に関する実験的研究
Subtitle : 原著
Authors : 日野博光, 葛西森夫
Authors(kana) :
Organization : 東北大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 17
Number : 7
Page : 825-835
Year/Month : 1969 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「第1章 緒言」 冠不全に対して現在2つの主な手術方法がある. すにわち, 1)直接法たる冠動脈内膜剥離術1), およびな間接法たる心筋内内胸動脈移植術(Vineberg氏法2))である. このうち, 冠動脈内膜剥離術は1957年Baileyにより初めて試みられたもので, 冠動脈狭窄または閉塞部に直接手術侵襲を加え, その部の内膜剥離あるいは血栓除去を行なうものであつて, いわば理想的な手術方法であるが, 現在のところ手術手技上かならずしも容易でなく, さらにその適応決定上かなりの制限があるとされている. 一方, 間接法たるVineberg氏法は, 手術侵襲が小さく, 植込内胸動脈の開存率および冠動脈末梢分枝との吻合が高率であること, さらに適応が直接法にくらべはるかに広い点などから冠不全の外科治療の主流と考えられるに至り, 広く臨床的に応用されてきているのが現況である3)~5). 著者らはVineberg氏法における植込血管の高率の開存度および吻合度を動物実験により確認したが, 大方の報告者と同様に植込血管の内膜肥厚による内膜狭小化をみとめている. しかもこの内膜肥厚は一般にかなり高度であつて, 新生血行路の血流減少の原因をなしており本法の効果を減殺する最大の短所と考えられる. 著者らはこの欠点を防止する目的で, 本手術法の改良法を考案し, 動物実験的にほぼその目的を達成することができたので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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