アブストラクト(18巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 移植肺腫瘍の増殖進展ならびに転移に関する実験的研究-とくに区域・亜区域気管支に移植した場合について-
Subtitle : 特掲
Authors : 原田七夫, 井上権治
Authors(kana) :
Organization : 徳島大学医学部外科学第2講座
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 18
Number : 1
Page : 1-22
Year/Month : 1970 / 1
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「第I章 緒言」 肺癌にはその大部分を占める気管支粘膜上皮より発生する気管支癌と肺胞上皮より発生する肺胞上皮癌, ならびに気管支腺に由来する癌とがあり, それぞれの増殖進展および転移の様相には大きな差違がみられる. また同じ気管支癌でも, その発生部位によつて非常に異なつた様相を示すといわれている. これらのことについては, 今日までに多くの研究がなされてきているが, そのほとんどが臨床例をもとにしたものであり, 癌の発生原因や発生時点の解明されていない現在では, 剔出標本と剖検例の統計的資料に基づく臨床的研究のみでもつて, 時間的要素が大きな役割を占める腫瘍の増殖進展, および転移についてその全てを解明することは, 元来無理であると思われる. このようなことから, 実験的に同じ腫瘍細胞を用いて一定の場所に一定の経過をとる移植腫瘍を作成し, 経日的に増殖様式, 進展度, 転移様相, 剔除効果, などについて, 系統的に検索することは大きな意義があると思う. われわれの教室においてはBrown-Pearce腫瘍を用いて家兎の気管支および肺の種々な部位に移植腫瘍を作成し, その進展および転移についての研究を行なつており, 著者はその一翼として, 肺癌の最も多発する部位といわれている区域, 亜区域気管支(以下中間部気管支と呼ぶ)に孤立性の腫瘍を作成し, その増殖進展の様相, 転移の様相, 剔除効果などについて検索を行なつた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
このページの一番上へ