アブストラクト(18巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 人工食道の機能的検討
Subtitle : 原著
Authors : 帯津良一, 林田健男
Authors(kana) :
Organization : 東京大学医学部分院外科教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 18
Number : 7
Page : 684-700
Year/Month : 1970 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「I. 緒言」 近年, 食道外科は著るしく進歩し, 食道癌の治療成績も向上したが, なお, 他の臓器癌の治療成績に比較して劣つていると言はざるを得ない. さらに, 幸いにして完治せしめたと考えられる場合でも, 限院後, 快適な食生活を営むことができて, 社会復帰が可能となる患者の数を考えると, その成績は, かなり割引きして考えなければならないのが現状のようである. 癌の早期発見とか, 高令者に対する手術の完全性とかいつた点については, これからも, ますます, 進歩していくことは間違いのないところであるが, 食道再建のための自家消化管の移動については, 理想的な再建法という観点からみると, その大きな手術侵襲とともに, 移動によつて生ずるさまざまな非生理性を指摘せざるを得ない. もし, 食道切除後の欠損部を, 消化管の移動をおこなわずに補填することができたなら, という考えは, 食後外科にたずさわるものなら, 一度は懐く考えであつて, 古くから多くの試みがなされてきた. このような代用食道には, 縦隔内の半永久的使用を目的とするものと, 胸壁外の必要に応じた使用を目的とするものとの2つのTypeがあり, 前者については, 多くの報告がみられるが, いまの段階では, 適応に相当な制限があつて, まだ, 広く臨床に応用されるに至つていない. これに対して, 後者については, なお, さまざまな改良点が存在するにせよ, すでに実用に供しうる段階に達している. この研究は, これら2つの型の人工食道を, 通過ないし摂食機能の点から比較検討し, 人工食道の進歩, 改良に役立てようとしたものである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
このページの一番上へ