アブストラクト(18巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 線維構造からみた肺動脈弁保存方法の検討と弁つき肺動脈による右室流出路形成術に関する実験的研究
Subtitle : 原著
Authors : 中井啓裕, 宮本忍
Authors(kana) :
Organization : 日本大学医学部大学院外科学II
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 18
Number : 8
Page : 802-814
Year/Month : 1970 / 8
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「I 緒言」 高度の右記流出路の形成不全をともなうフアロー四徴症, 肺動脈閉鎖, 総動脈幹遺残症などの先天性心疾患に対する根治手術のひとつとして弁つきhomograftによる右室流出路形成術がある. これは, 新井1), Rastelli36)らによつて実験的研究が行なわれ, Wallace47), Bowman7), Weldon51)浅野2), 川島23)らが総動脈幹残遺症の根治手術に応用し成功した. これらに用いられたのはすべて弁つき同種大動脈であり, Barratt-Boyes5), Ross39)らの同種大動脈弁移植の成功がその基礎をなしている. しかしながら弁つきgraftによる右室流出路形成術は, なお解決さるべき多くの基礎的問題を含んでいる. 第1に, 同種大動脈弁移植と共通の問題として, 最良の保存法は何か, 第2に肺動脈, 大動脈のいずれを用いるか, または同種か異種かなどの問題である. 著者がここに報告する研究はこれらのうち第1の問題に解答をあたえようとするものである. 保存法の比較検討に関する報告は従来多数見られるが, 保存による弁膜の物理的性質の変化の基礎的問題点として, 弁膜の組織学的構造, とくにその線維構造をとりあげたものはない. 著者は, ブタ肺動脈弁を用いて弁膜の線維構造をあきらかにし, その合目的性を考慮しつつ, 種々保存弁を, 形態的, 物理的, 細菌学的見地から比較検討したので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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