アブストラクト(18巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 出血性ショック時の肺循環障害に対する副腎皮質ホルモンの効果に関する実験的研究
Subtitle : 特掲
Authors : 日下吾朗, 宮本忍
Authors(kana) :
Organization : 日本大学医学部第2外科教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 18
Number : 9
Page : 870-883
Year/Month : 1970 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「I. 緒言」 出血性ショックに際し, うつ血性無気肺, 肺水腫, あるいは肺胞内出血の発生することが, 1945年Eaton1)2)により確かめられてから, ショックに関連した肺機能または肺循環の研究が行なわれるようになり, 最近はとくにショックに関連して肺の役割の重要性が認識されるに至つている. われわれの数室からも出血性ショックの肺機能と肺循環におよぼす影響についての詳細な研究成績が報告3)~6)されており, そこに発生する肺循環障害の実態, 発生機序および治療などについては宮本の著書7)および根本8), 杉村9), 水村10)らの論文に集約発表されている. ショックの原因の如何を問わずその病態生理において最も重要な役割を果しているのは微小循環障害であるという現代的理念の発展にともない, 治療面においても微小循環を改善するための方策が導入され, 枚挙に暇ないほどの研究発表がある. そのなかにおいて大量の副腎皮質ホルモンことにglucocorticoidsの使用は有効であるとする報告は増加しつつあるが, 微小循環についてなお明らかにされていない点が少なくない. ことに大量のglucocorticoidsがショック時の肺循環にいかなる影響をおよぼすかについての研究は殆んど見当らない現況である. それが微小循環障害の改善に有効であるとするならば, 出血性ショックに際して発生する肺循環障害に対しても有効に作用するであろうという考えのもとに本研究を計画した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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